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リファレンスチェックつらかった

就活をしていました。 そのときにリファレンスチェックを求める企業が何社かありました。 そこでリファレンスチェックについて思うことを書いておこうと思います。

基本的にリファレンスチェックの問題点を提起する話です。 ただしこれは一般的にリファレンスチェックを採用している企業ならどこでも当てはまる話と思います。 そのため、私個人の就活における個々の企業を咎める意図は決してありません。 あしからず。

リファレンスチェックとは

採用活動における1フェーズです。 前職の同僚に自分で連絡をとり、回答者になってもらいます。 そして採用企業側が用意した方法で質問に答えてもらいます。 このとき、採用企業側の質問や回答者の回答を、応募者が知ることはできません。

ネットで調べると、例えば以下のような質問があったりするそうです。

  • 応募者の経歴は間違いないですか?
  • 応募者に懸念事項はないですか?
  • 応募者とまた一緒に働きたいですか?
  • 応募者にアドバイスするとしたら?

リファレンスチェックのシステムも多くの企業が作り運営しているようです。 調べると、back checkなど多数のシステムが見つかります。 システムによっては、以前の回答を別な採用企業で再利用できるものもありました。

リファレンスチェックの良さそうな点

多くの採用企業が採用しつつあると聞きますし、調べるとシステム運営企業も多数あります。 これだけ需要・供給があるということは、リファレンスチェックは誰かに良い物なのでしょう。

個人的にもどんな点が良いか考えてみました。

面接で確かめづらい点が見れる

例えば以下のような点を知れます。

  • 気を張らない働きぶり
  • 周囲の人とのコミュニケーション状況

どうしても面接では気を張り、無理してでも自分をよく見せようとするものです。 仕方がない。

リファレンスチェックは、経歴詐称のチェックや、応募者の素に近いキャラクターを知ろうとしているのかなと思いました。 世の中にはブリリアントジャークなんていう話もありますしね。 *1

リファレンスチェックの悪そうな点

ここからが本題です。

リファレンスチェックを受けてみて、正直辛かったです。 何が辛かったのか、問題かと思ったのかをまとめます。

応募者にとって不適切な質問・回答をチェックできない

就職差別につながる事項を企業側が把握することを、厚生労働省は避けるように言っています。 例えば以下リンク先に書いています。

具体的にここにも書くと、例えば以下のようなものが当てはまります。

  • 出身地や家族の情報
  • 完治した病気や業務に直接関係ない病歴
  • 愛読書

もちろんリファレンスチェックにおいて、上記を直接聞くような違法性のある質問はないでしょう。 (自分には質問・回答が見れないので、ないはずとしか言えない)

でも、

  • 答えに上記が入りうる曖昧な質問はないか?
  • 答える元同僚は不適切な内容をキチンと把握して回答しているか?

例えば回答者が、

  • 「〇〇出身で震災を経験したが、その中で頑張っていた」
  • 「病気をしたが復職後もすぐに活躍していた」

などと回答するかもしれません。 褒めるつもりの回答をしたつもりで、不適切な回答内容が入り込む可能性が否定できません。

しかもそれをチェックする術が応募者側にはありません。

調整コストが高い

就活をして一番のコストはスケジュール調整でした。 複数社とのカジュアル面談をお互いの空いている日でいつにするか。 技術面談を終える時期や、条件面談の時期を、回答しやすいよう複数社で揃えたり。

そしてこのコストは、調整する相手が増えるごとに大きく上がります。

リファレンスチェックは前職同僚と連絡・調整が必要です。 この相手は連絡を取るのも大変で、しかも相手の状況がわからず調整が困難です。

実際、私も複数人に連絡を取りましたが、一人は返事がなく、一人は返事がくるまで数日かかりました。 連絡が取れた相手もひじょうに忙しい時期で、回答に1週間待ってほしいと言われてしまいました。

しかも企業によっては、複数人のリファレンスチェックを求めてくることもあります。 コストは大爆発です。

これだけコストが高いのに、応募者や回答者へ謝礼などがないのが一般的です。

複数社受けると複数回のリファレンスチェックが必要になる

私は複数の企業を同時に受けました。 そこで複数企業からリファレンスチェックを求められました。 それらは残念ながら違う会社のシステムでした。

何が起きたかというと、元同僚に別のリファレンスチェック回答2つをお願いすることになりました。 なんじゃそりゃ。

回答に必要な推定時間が書いてありましたが、40分と30分となっていました。 合わせると1時間超え。ちょっと頼みづらい時間です。

システムによっては、以前の回答を使いまわせるものもありました。 しかし企業によって欲しい質問は違うことも多々あり、使いまわせることは稀です。

これだけコストが高いのに、回答者への謝礼などがないのが(rya *2

理由があって辞めた組織や人の協力が得られるとは限らない

そりゃそうだ。

正直に言うと、私は連絡を取りたくなかったです。 辞めたのにはそれなりの理由があります。

新しいステージに進むための円満退職なんてブログ記事をよく見ます。 同時にモームリのような退職代行を使う話もよく見ます。

みんながみんな、円満退職とは限りません。 それぞれ退職者にも正義があり、辞められた企業側にも別な正義があります。 人によっては回答者から攻撃的な回答を受けるかもしれません。 *3 *4

そのようなセンシティブな関係性を利用するのが本当にいいのかと思います。

【追記】現職同僚に依頼しないといけない可能性がある

無職期間を作らずに転職しようとすると、現職同僚に依頼する必要があることに気づきました。 私は無職期間があるため、すでに辞めた元の同僚に依頼しました。

しかし現同僚に依頼しないといけない場合、どんな顔して依頼すればいいのでしょうか。 また依頼しておいて就活失敗したら、今後どんな顔をして一緒に働けばいいのでしょうか。

おわりに

リファレンスチェックつらかった。

特に不適切な回答内容を把握できないのは、システム的に致命的な問題と思っています。

それなのにリファレンスチェックが流行っているのはなぜなんでしょうね。 採用側の話も気になるところです。

*1:この単語を初めて聞いたとき、ブリにサメ?と勘違いした

*2:元同僚には個人的に謝礼の品を贈ることにしました

*3:リファレンスチェックの結果が悪いと次の企業に就職できない、最初に就職する企業との関係性が大事な企業ガチャのような状況になってしまうのでは

*4:もしリファレンスチェックがもっと主流になったら、リファレンスチェックロンダリングのような企業が出てくるのかもしれない